金融法務、動産・債権譲渡登記(ABL/Asset Based Lending)/事例紹介

事例紹介1【金融法務】

申請先の法務局が全国に北は北海道、南は鹿児島までに跨っており、全物件に根抵当権の本登記を設定しようとするものです。大量の物件の中には財団登記も含まれていました。

この場合、根抵当権は、本登記をすることによって共同化しますので、40管轄ほどある法務局に同時に申請することができません。そのため、管轄の一つをチョイスし、根抵当権設定本登記を申請し、他の管轄の法務局すべては根抵当権設定仮登記を同時に申請します。根抵当権設定本登記が完了したところで、順次、仮登記した根抵当権を本登記にしていく手法をご提案しました。
概略で述べますと簡単ですが、本件が13先の金融機関が参加するシンジゲートローンであったこともあり、事務処理量は相当なものでした。また、短期間でこれらの準備をしなければなりません。加えて、資金実行当日における法務局申請にかかるリソースと機動力は、当事務所の組織体制で完結できました。シンジゲートローンを採用するような案件は、規模も大きく、物件対象も複雑・量的にも多いものです。ましてや、エージェントたる銀行は、各行の調整を含め、担保保全で最も適切な手法に依らなければなりません。
このような要請にこたえることができた事例であったと自負しております。

事例紹介2【金融法務】

不動産流通取引の中で困難な事例

売買登記の中で難しいものに、複数売主すなわち共有者の確認がありますが、本事例では、売主が10名を超え、その中に行方不明者、高齢者の意思確認の問題があり、適切な手続きをとらなければ、売買自体が無効になってしまいます。通常の共有者であれば、本人・意思能力・登記意思確認をするのですが、行方不明者の場合、不在者財産管理人を選任し、裁判所の許可をとらなければなりません。高齢者の場合、痴呆性・意思能力に問題があれば、成年後見申立をし、後見人を選任し自宅の処分であるならば、家庭裁判所の許可をとらなければなりません。また、本件では、権利証書・登記識別情報の紛失もありましたので、本人確認証明情報を作成し、詳細な面談が必要になります。この場合には、不動産仲介業者・売主・管理人・後見人などのステークホルダーとのスケジュール調整を司法書士がグリップを持ちながら、売買決済日までに書類準備・確認などをしなければなりませんでした。これらを3ヶ月で一気に実施し、関係者全員の協力の下、決済日まで間に合い、金融機関も資金実行することができ、所有権移転・抵当権設定登記を完了することができました。多種多様な懸案事項を限られた時間にこなせたことは、仲介業者様から高くご評価いただいた案件でした。
各種事例により得た実務上の経験、見聞きしていることをお話することも多く、宅建業者様を始め、不動産取引にかかわる各担当者様が効用を実感していただけるところと思います。

事例紹介3【金融法務】

信託物件を現物不動産として購入するケース

資産流動化スキームとして、信託組成が多く利用されました。組成時における登記は、プラス事務所においても、かなりの案件を実践しましたが、昨今は、信託物件を現物不動産として購入するケースが見受けられます。これは、物件購入者が受益権で購入し、信託契約を解除して、これによる財産引継ぎを原因として、不動産の所有権を取得する方法です。しかしながら、受益権の取り扱いが金融庁の所轄に属することから、取り扱いができる仲介業者も限られているようです。本事例のような登記は、そもそもの資産流動化スキームを理解している前提がないと円滑な取引に寄与することはできません。

事例紹介4【金融法務】

民事信託を利用したケース

信託の組成といえば、一般に信託銀行が受託者となって流動化スキームを実行することが殆どでした。ここでご紹介する案件は、信託を業としていないものが受託者となる「民事信託」です。
あるご一族が大きなテナントビルを保有しており、相続税の関係で、所有権が5名の共有となっていました。共有者各位も次の相続が発生すれば、さらに所有権が細分化し、建て替えや、大規模修繕を行うことが難しくなることを懸念されていました。
そこで、共有不動産を民事信託し、各共有者は受益者とし、相続が発生しても受益権を相続することとなり、建て替えや大規模修繕については、信託契約に基づいて運営することが可能となります。また、債務も信託法改正により信託できるようになったことから、各個人で負担していたものを受託者に一本化することが可能です。アセットが安定することは、入居者が相続に惑わされることがないことも意味します。
このような案件では、登記手続を知っているだけではなく、信託条項の理解や案件全体を理解し、積極的に取り組むことが必要です。
不動産・金融法務は、日進月歩で、現在も新たな手法が考案されつづけています。実体形成に関与し得る登記の研究も実例といえましょう。

事例紹介5【動産・債権譲渡】

一般的な事業のフローをデフォルメすると、おおよそ下記のとおり表現できます。

原料・商品は、製造・販売の過程を経て、売掛金に転換して行くことになります。
当然、原料・商品の仕入から、最終的な売掛金の回収に至るまでには相当時間を要し、先行して原料・商品の代金を支払うことになり、ここに典型的な運転資金のニーズがあります。
ABLでは、この事業そのものに着目し、これらを担保に資金需要に応えていこうとするものです。ABLが物的担保(不動産)・人的担保(保証)によらないといわれる所以です。動産・債権譲渡登記を利用して担保を設定すると下記のとおりになります。

動産譲渡登記によって担保されている動産が減少すれば、債権譲渡登記によって担保された売掛金が増加するので、把握価値が一定水準で推移することになります。

事例紹介6【動産・債権譲渡】

動産譲渡登記の対象について

動産譲渡登記の対象はさまざまで、従来の不動産登記法ではカバーできなかったものがカバーされるようになりました。いくつか実例を挙げますと、工場の機械器具・工事現場の足場などの建築資材・肉牛・海上養殖場の魚・倉庫在庫品・不動産登記法上、建物として取扱うことが出来ない工作物などがあります。
また、実際に登記をする段階では、表現も含め対象を特定することに労力を要し、センスが要求されるところでもあります。
一方、動産という性質上、持ち出しが容易であること、債権の管理は事業主体が行っていることなど、債権管理(期中管理)上の問題、担保権実行時の実効性に改善の余地が多く残っています。

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