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【PLUS Report 2018年2月号】連載「会社運営に役立つ法制度」 第8回 登記簿と法⼈番号 〜法⼈名のフリガナが公表情報に〜
連載 『会社運営に役⽴つ法制度』
第8回 登記簿と法⼈番号 〜法⼈名のフリガナが公表情報に〜
今月号は『会社運営に役立つ法制度』(執筆担当:司法書士・行政書士 小野絵里)の第8回です。
一般の企業について公的機関により公表されている情報には、①商業登記簿に記録される情報、②法人番号公表サイトにおいて公表される情報があります。
この度、平成29年5月30日に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」に基づき、「法人が活動しやすい環境を実現する」ことを目的として、新たに「法人名のフリ
ガナ」が公表情報として提供されることになりました。
そこで今回は、『登記簿と法人番号~法人名のフリガナが公表情報に~』と題し、制度の変更点と法人情報の公開の仕組について解説します。
1.フリガナの届出は法務局に、公表は法⼈番号公表サイトで
商品法人登記、3/12(月)~
・登記申請に、フリガナの記載が必要となります。
・登記申請とは別に、申請をすることも可能です。
法人番号公表サイト、4/2(月)~
・法人番号公表サイトにおいて、法務局に申出したフリガナが順次公表されます。
法人名のフリガナは、登記事項証明書には記載されません。
法人名のフリガナを記載するにあたっては、法人の種類を表す部分(「株式会社」「有限会社」「一般社団法人」等)を除いて記載します。
2.法人情報の公表制度の仕組み
商業法人登記(法務局)
・商店、本店、事業目的、資本金、株式、役員などの法令で定められた重要情報が対象です。
・登記申請の義務があります。(違反には罰則あり)
・全国の法務局、登記情報サービスで公表情報を取得することが出来ます。
法人番号公表サイト
・商号、本店、法人番号(法人の基本3情報)のみが対象です。(4/2から「フリガナ」が追加)。
・登記内容が反映されます。
・国税庁の法人番号公表サイトで公表情報を取得することが出来ます(無料)
登記情報提供サービスは(http://www1.touki.or.jp/)では、オンライン上で登記情報を取得することができます(有料)。
法人番号公表サイト(http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/)は、オンライン上で法人の基本3情報を取得することができます(無料)。
法人番号には、行政の効率化・国民の利便性の向上・公平公正な社会の実現といった社会基盤としての役割のほか、民間が利活用することで新たな価値を創出する目的があるとされています。
そのため、法人番号公表サイトでは、法人情報の利活用を促進するためのツールとして、商号や所在地による情報の検索だけではなく、差分データのダウンロード機能(新規追加、商号及び所在地の変更等の日次の更新情報をダウンロードする機能)など、利用者が一定の条件を指定して法人情報を抽出するためのツールが設けられています。
現在、行政の効率化や生産性の向上が声高に叫ばれるなか、法人番号公表サイトだけではなく、総務省の統計ダッシュボード(https://dashboard.e-stat.go.jp/)や内閣官房及び経済産業省の地域経済分析システム(https://resas.go.jp/)など、コストを掛けずに、比較的容易な操作で、多様なデータを収集し、分析するためのツールが整備され始めています。このようなツールを誰でも容易に利用できる状況になったとすれば、そのツールを活用する視点とアイディアこそが、データを基に新たな価値を生み出す決め手の一つになり始めているのかもしれません。
(文責 : 司法書士・行政書士 小野絵里)
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連載「会社運営に役立つ法制度」
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第8回 登記簿と法人番号 ~法人名のフリガナが公表情報に~